とんかつうめ茶づけblog ~Eight days a week~

同人SSサークル「とんかつうめ茶づけ」及び星倫吾の活動記録……なんて。

【麗音BDSS】歌姫楽園?

今日はお友達の未来(みく)ちゃんと一緒に、
学校の近くの商店街に来ています。

お休みの日に学校の外に出ることはあまりないのですが、
未来ちゃんが商店街にある楽器屋さんにお買い物があるから、
つきあって欲しいと頼まれて……。
今日は特にレッスンもありませんでしたし、
天気も良かったので、ちょっとお出かけしてみるのもいいかなって……。

商店街はハロウィン一色。
ついこの間まで夏色一色だったのに……。
こうやって季節が移り変わっていて、兄さんも私も大人になって、
私との距離も離れていってしまうのかな……。

そんな事を考えていると、ふと私たちを呼び止める男の人の声が……。
「んー、私はいいけど。麗音ちゃんもOKだよね?」
「良かったー、助かりますー」
「まぁ、マリア様のお庭に集う乙女として、
 困った人を助けるのは当然の事ですから。じゃ、行こ、麗音!」

男の人と未来ちゃんに案内されるまま連れて行かれたのは、
商店街のメインコンコースにある特設舞台。
看板を見ると「素人のど自慢大会」……と。
「あの、未来ちゃん、これ……?」
「うん、見ての通り。
 商店街の青年会の人が『のど自慢の出場希望者が足りなくて、
 しかもおじいちゃんおばあちゃんばっかりで若い人がいないから、
 エントリーしてくれないか』って頼まれたからOKしたの」
未来ちゃん、私が人前で歌うのが苦手なの知ってるのに……。
「選曲は麗音ちゃんに任せる。
 麗音ちゃんのレパートリーなら、私大抵弾けるから。
 ホントは、歌って踊って弾ける若さをアピールしたいんだけど、
 さすがにミニスカートでソレをやるのはサービス過剰だから。
 あ、ホラ、もう出番だよ!」

舞台に上がると、やはりお客さんの視線が集中して、
それだけで頭が真っ白になってしまって……。
「麗音、ガンバレ!」
空耳でしょうか、ふと兄さんの声が届いた気がして。
……そう、たとえこの客席にはいらっしゃらなくても、
どこかで私を見守って下さる兄さんに届きますように……。

でも、もっと驚くべき事があったのです。
歌い終わって客席を見ると、本当に兄さんの姿があったのです!
「よく頑張ったな。麗音の歌が一番良かったよ」
……この言葉が、今日の何よりのご褒美です……♪